今回もトップに使用するベアクロウ材やアディロンダックスプルース、
YW-1000カスタムに使用するハカランダの合板の板取、
その他、様々な材を漁ってきました。
ベアクロウシトカスプルース
ほとんどYW-1000とYF-1000のカスタムに使用されます。
どれも照りが強く、腰の強い材料です。中にはDY-28のカスタムになるものもあり、
サイドバックとの組み合わせで、キャラクターが変わります。
↑この材に関してはDY-45クラスに使用されます。
↑アディロンダックスプルース4Aクラス
↓ホンジュラスマホガニー(丹羽さんによる選定)
こちらはカスタムショップの丹羽さんによって、
DY-18customにしてもらいます。この材料の個性に合わせて
ブレーシングなどの加工を行うとのことです。
目の良く詰まった硬質で粘り気のあるホンマホ。
数少ない、ドレッドやBL、ジャンボで使用できるフレイムメイプルも数枚ゲットしました。ほとんどがBLカスタム(BL-100)になります。最近だとフローレンタインスタイルのカッタウエイにスポルテッドメイプルの口輪を採用したモデルが人気なので、おそらくそうなりいます。この中で一番良質なものがカスタムショップの道前さんによって、JY-200スタイルになる予定です。ヤイリギターの80周年記念モデルとして、道前氏が製作した、あのモンスターギターです。
↑スポルテッドメイプルはなににするか決まっていません。
↑こちらの美しいフレイムメイプルは小振りな為、RAGのカスタムをラインで製作していただこうと思っています。
全体的に白いイメージで、ヨーロピアンスタイルのパーラーを意識したモデルになります。
ひょっとすると、ブリッヂがすごいことになるかもしれません。
↑硬質なパオローズ。センターのサップが印象的です。
ココボロのように樹脂の多い材です。
触った感じは、インドローズやメイプルよりも重く感じます。
低音の効いたダイナミックなサウンドを生み出すでしょう。
DY-28 Customになる予定です。
↑最近、道前さんのカスタムショップでも度々登場するジリコーテ単板。
強烈な木目です。もう少しおとなしめの材は下倉カスタムのDY-28でも
何本か製作していただいております。小池さんもよく使われる材料です。
でも今回はLO-130Customになる予定です。
↑こちらは屋久杉。目の細かい、所々ウズラ杢が見られる美しい材です。
どんなモデルにするかは悩み中です。上下でトップ・バックに使用します。
サイド材は丹羽さんにお任せです。↓
↑必死に探し出した千年杉クラスの屋久杉です。
年輪が左右で2000本近くあることになります。
数えていませんが、とんでもなく細かい導管です。
こちらはDYのトップに使用します。サイドバックは悩んでいます。
最後は、ハワイアンコアです。2000年近辺のヤイリカタログをお持ちの方にはわかると思いますが、
当時ヤイリさんは受注生産のカーリーコアモデルを推していました。
当店でも相当な数の特注品を受注しました。というのも、当時先代ヤイリ社長がハワイに赴き、
相当な数のハワイアンコアを輸入したらしく、一男社長亡きあと、社長用と記されたハワイアンコアの束には丹羽さんですら手を付けなかったそうです。
数枚ですが、とてつもない大きさの板が資材管理室でシーズニングされていることに気付いた私は、さっそくカスタムショップの小池さんのもとに運びました。
小池さん曰く、「こんな材で組んだらすごいギターができるけど、金額もすごいことになるぞ」と、そそくさと木材全体にプレナーを掛けに別の部屋へ。
戻ってきてラッカーを一噴きすると、
こんなに細かいフレームが現れました。表面に凹凸がある状態では素人の私にはフレームはほとんど見えていなかったのですが、
小池さんたちには余裕で見えていたそうです。
単純にセンターのサップがきれいであることと、材がでかいのとで騒いでいましたが。
ちなみに↑の画像はわざと左右上下逆様です。
実際に小池さんに持っていただきましたが、でかいです。この一本からトップとバックが出来上がります。
一枚のいたからです。ブックマッチなので非常に美しい木目になります。サイド材も同じく兄弟材が数枚ありますので、
1本の木から、すべてのボディー材が作られることになります。本日正式に注文しましたが、3本作っていただく予定です。
最初の1本目はシンプルに000-12フレットジョイント、スロテッドヘッド、ハカランダ天神。マーチンの000-28Kに寄せたデザインです。
残りは小池さんと相談しながら、ゴージャスなギターにしたいと思います。
プロアーティストに製作している小池さんなので、いつ出来上がるかは分かりません。優先順位はどうなんでしょう。小池さんもノリノリでしたので、期待大です。